なぜ『シックス・ネーションズ』はおもしろいのか? ヤマハの選手が語る魅力 (1/4ページ)
「8万人が総立ちになって声を枯らす両国国歌の斉唱。この国に生まれた男子なら、絶対にあの場に立ちたいと思う。シックス・ネーションズの魅力は、この場面にすべてが凝縮されていると思う」
そう言ったのは、ヤマハ発動機ジュビロの清宮克幸監督だ。
「すべてをかけて戦う姿が美しい。日本でいうと、大学ラグビーのトーナメントで同じような空気を感じることができると思いますね。ラグビーの美しさ、勝ち負け関係なくすべてを出し切るという決意。3位と4位だろうが、5位と6位だろうが、同じクオリティのパフォーマンスを出し続ける。これはスーパーラグビーにはない、南半球のテストマッチにはないものです。お互いの国で、隔年のホーム&アウェーで対戦するから、地元の人にとってはどの相手を迎えるのも2年に一度ということになる。迎えるホームの選手は、自分の生まれ育った村や町の英雄。そういう環境の中で試合が行われるんですね。まあ、最近は南半球のコーチが入ってきて、そういう伝統的な要素は少し薄れてきているようだけど」
南半球のコーチ。その最たる存在は、2015年のワールドカップ後にイングランド代表ヘッドコーチとなったエディー・ジョーンズだろう。自国開催のワールドカップでプールステージ敗退という屈辱をなめたイングランドの指揮官に就任し、わずか2か月で迎えたシックス・ネーションズで全勝優勝。6月のオーストラリア遠征も3戦全勝、秋のテストマッチシリーズもそのオーストラリアを返り討ちにするなど全勝し、就任1年目は年間13戦全勝で終えた。
「不思議なことじゃないですよ。力のある人間が、正しく強化すればこうなる。強くて、骨格も大きくて、理にかなったラグビーをしているわけだから強くなるのが当然です。イングランド以外の5か国にとっては、イングランドという目標ができたわけですから、楽しみなのはこれから。今年のシックス・ネーションズは、みんなでイングランドの弱みを探していくのが見どころになると思います。もしもアップセットがあれば、ものすごく盛り上がるでしょう。それはスポーツが本来持っている姿ですよね。強い横綱にみんなが自分の持ち味を活かして挑んでいく構図です」
シックス・ネーションズは観戦するだけでなく、選手やコーチングスタッフにとって、具体的に教材になる大会だ。