世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第207回 雇用の問題 (3/3ページ)
インフレ率が上昇すれば失業率が下がり、インフレ率が下落し、デフレになれば失業率が上がる。
デフレで仕事の量が不足すれば、人が余り、失業率が上昇する「はず」なのだ。
ところが、直近のデータを見ると、奇妙な状況になっている。'16年はGDPデフレータベースのインフレ率がマイナスに戻ってしまった。日本経済は、インフレ率を見る限り再デフレ化している。それにもかかわらず、失業率は'95年以降では最低の3.0%を記録した(直近は3.1%)。
現在の日本は、
「安倍政権の失政(緊縮財政)により、デフレが継続している(物価が下がっている)」
および、
「少子高齢化による生産年齢人口比率の低下により、雇用環境が改善している」
との、二つの現象が同時並行的に進行していることが分かる。総人口に占める生産年齢人口の割合が下がっている以上、必然的にわが国は人手不足にならざるを得ない。すなわち、雇用環境は改善する。
安倍政権は、現在の失業率低下を「人口構造の変化」によるものであると認識し、デフレ脱却に向けた手を緩めてはならないのだ。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。