男がとろけた「芸能界・魔性の女」を徹底追跡!(6)毒婦を味わう傑作シネマ (1/2ページ)

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男がとろけた「芸能界・魔性の女」を徹底追跡!(6)毒婦を味わう傑作シネマ

 リアル社会では許されないことも、スクリーンの中ではどんな毒婦も魅力的。映画ジャーナリスト・大高宏雄氏が新旧の傑作10本を選定する。

 まず外せないのは京マチ子(92)の「牝犬」(51年、大映)ですね。戦後のグラマー女優の元祖たる京マチ子が、名優・志村喬を夢中にさせ、だけど自分は若い男に走ったことから刃傷沙汰になってしまう。

 戦後の女優像を一変させたという点でも、彼女の功績は大です。

 同じ大映の若尾文子(83)は、田宮二郎と共演の「『女の小箱』より 夫が見た」(64年)が傑作。田宮は企業の乗っ取り屋で、乗っ取られる側の会社の社員の夫人が若尾。田宮は若尾を利用して乗っ取りを進めるが、ここで若尾が突然言う。

「私を取るのか、会社を取るのか!」

 結局、田宮は嫉妬した恋人(岸田今日子)によって絶命するが、こうした「男の死」があってこそ、魔性の女と言えるでしょう。

 谷崎潤一郎原作の「痴人の愛」(67年、大映)では安田(現・大楠)道代(70)が光る。小沢昭一と田村正和の2人が、安田演じるナオミによって性のとりこになってゆく。安田はヌードではないが、全身から野性美が漂っていました。

 日活では加賀まりこ(73)が小悪魔の魅力を発揮した「月曜日のユカ」(64年)でしょう。ユカ自身はピュアであるが、初老のパトロン(加藤武)も若い恋人(中尾彬)も、結局は振り回されて死に至る。男の死=魔性の女の条件に当てはまり、今なおリバイバルで人気の高い一篇ですね。

 後期の大映には渥美マリ(66)と関根(現・高橋)恵子(61)がいた。

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