“文筆家”星野源の原点ともいえる初めてのエッセイ集に書かれていることとは? (1/2ページ)

新刊JP

『そして生活はつづく』(文藝春秋刊)
『そして生活はつづく』(文藝春秋刊)

3月30日に発売される最新エッセイ集『いのちの車窓から』(KADOKAWA刊)が異例の初版12万部と、大きな注目を集めている星野源さん。

ミュージシャン、俳優、ラジオパーソナリティとさまざまな分野で活躍している星野さんだが、文筆家としての一面を持っていることは、ファンならずとも知っているだろう。そんな彼の最初のエッセイ集となったのが『そして生活はつづく』(文藝春秋刊)である。

高校生のときに劇団『大人計画』の主宰者である松尾スズキさんの初エッセイ『大人失格』を読んで以来、ずっと自分の本を出すことが夢だったという星野さん。その初めてのエッセイ集は2009年に刊行されて、2013年に文庫化されている。

夜、置いておいた料金支払いの請求書が朝になると見つからない話から始まり、過労で倒れて看病に来た母親との話、箸選びの話、部屋探しの話、お腹が弱い話…。

芸能界の華々しいイメージとは程遠い、一人の男の日常の出来事が、ユーモアとともに切り取られて書かれていて、その一つ一つのエピソードがクスッと笑える。なぜ、どんなにつまらない日常でも、星野源という人物を通してみてみると、こんなにおもしろく感じるのだろう。

星野さんは『そして生活はつづく』文庫版のあとがきで、このようなことを述べている。

「なにげない日常の中に素晴らしいものがある」どや顔でそんなことを言う人は苦手です。「なにげない日常」の中には「なにげない日常」しかない。素晴らしいものなんてない。その中から素晴らしさ、おもしろさを見いだすには、努力と根性がいります。黙ってても日常はおもしろくはなってはくれない。見つめ直し、向き合って、物事を拡大し新しい解釈を加えて日常を改めて制作していかなきゃならない。毎日をおもしろくするのは自分自身だし、それをやるには必死にならなきゃ何の意味もない。
つまり、一生懸命生きなきゃ毎日はおもしろくならないってことだ。(『そして生活はつづく』文庫版 P203より引用)

星野さんは、自分次第で物事はおもしろくなるということを知っている。

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