秋津壽男“どっち?”の健康学「バイアグラの使用をためらうべき人は?血管や血圧に問題があれば控えるべき」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 例えれば、ふだんまるで運動をしない人が新品のシューズを買い、うれしさのあまりサッカーをするようなもの。バイアグラが死に至らせるのではなく、勃起したうれしさのあまり、激しいセックスをして心臓に負担がかかるわけです。

 他人を本気で怒ると血圧は上がりますが、セックスでの興奮も同じ状況です。頭や胸が重かったり痛かったりしたら、激しいセックスは控えてください。大抵は気のせいだ、飲みすぎだ、などと自分をごまかしますが、自覚症状を感じたらストップすることです。動脈硬化や高血圧などの症状を抱える人が、頭痛や息切れ、極端な速い動悸などを感じたら黄信号。タバコやお酒が好きな人やメタボの人は気をつけるべきです。

 勃起薬を服用した場合、予期せぬ症状が起こることもあります。例えばバイアグラの効果が続くと「持続性勃起」となり、射精後も長時間しぼまなかったり、血液の循環が悪すぎて亀頭の周りが膨れたりします。指先をゴムできつく縛り続けたような状態です。あるいは、女性の膣内でこすり続けた結果、傷ができて傷口から雑菌が入ることもあります。

 若い人ならまだしも、年齢を重ねたら「自分が興奮するのではなく、女性を興奮させる」セックスに切り替えるべきでしょう。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「バイアグラの使用をためらうべき人は?血管や血圧に問題があれば控えるべき」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2017年 3/9号“どっち?”の健康学バイアグラ秋津壽男血圧社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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