「狙わずしてスクープを取る」 女性キャスターの「本音を話させる」テクニック (4/4ページ)

新刊JP

それで初めて対等に自由にお話がうかがえるわけですね。

だから、スクープになるネタを話してもらうために、こちらからスクープを教えてしまうこともあります。「こういう情報が実はあります」「他社ではこういう話があるそうですが、どうお考えですか?」って。

全部手の内を晒してしまうことで、「そこまで教えてくれたなら話そう」ということはままある話です。

――本の中でも、「素の谷本有香」として話すようにしたことで、いい答えが引き出せるようになりスクープを取れるようになったと書かれていましたよね。まさに、対等な関係に基づく交渉です。

谷本:もちろん、インタビュアーはインタビュイーをリスペクトすべきだけど、ただリスペクト一辺倒の姿勢だけだと経営者は喜ばないことも多いんです。反対の立場になると分かるのですが、リスペクトだけ向けられ、「すごいですね、すごいですね」と言われても「この人、本当にそう思っているのかな?」と思ってしまう。

トップリーダーたちはイエスばかり言う人を好きではありません。インタビューは畏まった雰囲気になりますけれど、そういう場を超えた談義をすることで、求めている真実がつかめるということですね。

――そんな谷本さんにもインタビューがやりづらい人はいるんじゃないですか?

谷本:基本的にはどんな方でも嫌いにはなりません。全然答えてくれないとかやりづらい人もいますけど、自分の手腕次第だと思っていますし、スクープを引き出せる自信はありますよ。

ただ、中には本当にいじわるな人もいます。ある政治家の方はインタビュアーをいじめるので有名な方で、テレビ番組のCM中に「お前みたいなバカなキャスターは見たことない」「お前を(番組から)辞めさせるから、収録が終わった後、(テレビ局の)社長のところにいくぞ」とまで言うんですよ。

言われたキャスターはもちろん号泣ですし、スタッフも演者もシーンとしてしまう。いじめたいのか、食らいついてきてほしいのか、その政治家の意図は分からないんですけど、ただ、私はそれを言われても泣かなかったんですね。

――よく耐えられましたね…。

谷本;「自分の手腕を試せる良い機会だ」と思っていたので(笑)。逆に器の小ささを露呈してくれてありがとう、と思うくらいでした。実際に本番の討論でも、その器の小ささを利用させてもらったり。さじ加減の問題ですね。

(後半に続く)

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