世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第215回 ブレグジット以降の世界 (3/3ページ)
遺伝子組み換え作物は消費者の安全を害する可能性があるので、拒否する」
「食料安全保障が脅かされる農業の自由化には同意しない」
「農産物の安定供給を実現するために、政府が余剰農産物を買い上げる」
といった「規制」を国家としてかけても、一向に構わないのだ。国民の安全、安保、安定を確保するために、「自由なビジネス」を制限する。筆者の良識に従えば、普通のことだ。
この種の「良識」を無視し、「グローバリズムは歴史の必然だ」などとやっていた日には、国内は不安定化せざるを得ない。特に、安全保障の弱体化は、国家の存続すらも脅かすことになる。
英フィナンシャル・タイムズ紙の主席経済解説委員であるマーティン・ウルフ氏は、3月14日の『経済発展には“国家”が必要だ』(Yahoo!ニュース)において、
「グローバリゼーションの土台にあったのは『全体として平和的な環境』だということです。大きな力を持った国々がお互いに敵意を持つようになれば、グローバリゼーションは成り立ちません」
と語っていたが、まさにその通りだ。現在の世界は、アメリカの覇権国としてのパワーが相対的に落ちている。中国の南シナ海における覇権拡大が証の一つだ。
覇権国のパワーが低下している環境で、安全保障を弱体化するグローバル化を追求することは、亡国の路線なのだ。そして、現在の安倍政権は、まさに亡国路線をひた走っている。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。