沢尻エリカ『母になる』にパクリ疑惑?ドラマ業界は深刻な”ネタ枯渇” (2/2ページ)
■さらに劇場公開映画にもストーリーが酷似?
ドラマに詳しいライターが解説する。
「それ以降、この作品は和樹をめぐって生みの母と育ての母の心の葛藤が描かれていったのですが、途中、マンションのママ友同士のいざこざや、近隣で起きた謎の誘拐事件など、さまざまな要素が絡み合いすぎて複雑だった。今回の『母になる』は、そうした余計なサイドストーリーを引き算して、すっきり見せていることに成功しています。ただ視聴者の中にはどうしても『砂の塔』がちらつくという声があり、オリジナリティには欠けます。さらに子どもを誘拐して育てる設定は、小池栄子や風吹ジュン(64)も出ていた映画『八日目の蝉』にも似ているし、そのあたりの作品をごちゃ混ぜにした散漫な印象は否めません」
『砂の塔』は去年10月クールの作品。これを見て日テレのドラマ関係者が作品の設定を考えたとは想像しにくいが、あまりに共通する部分が多すぎると興ざめしてしまうのは事実。少なくともドラマファンにとっては『砂の塔』以上に面白い展開を期待したいところだ。
- 文・海保真一(かいほ・しんいち)
- ※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。