「シンドラーのリスト」の舞台、ユダヤ人の命を救ったシンドラーの工場は今も古都クラクフに (3/4ページ)

傍観者として歴史を後追いするだけでなく、来館者に少しでも当時の人々の心境を感じてもらおうという工夫がされていて、どんどん展示に引き込まれます。館内全体をじっくり見学していると、2、3時間はあっという間に過ぎてしまうほど。
映画「シンドラーのリスト」を観た人にとって最も感慨深いのは、シンドラーの執務室の再現でしょう。

オスカー・シンドラーはチェコ出身のドイツ人。ナチス・ドイツのクラクフ侵攻に乗じて、ひと儲けを目論んでクラクフにやってきた実業家でした。
シンドラーは自身が経営する工場でユダヤ人を雇い、従業員としてリストアップされた1200人は、絶滅収容所送りを逃れたのです。

シンドラーの工場で働いていたユダヤ人が難を逃れたのは、彼の工場が「軍需工場」として、ドイツ軍司令部から特別の格付けを与えられたためでした。
結果的にシンドラーはおよそ1200人ものユダヤ人の命を救うという偉大な功績を残しましたが、シンドラーは、もともとヒーロータイプの人物であったわけではありません。
シンドラーの工場で実際に働いていた人々のインタビューを記録した映像が流れるミニシアターもあります。快楽主義者でプレイボーイとして知られていたシンドラーがいかに、ユダヤ人救出のヒーローとなったのか、そのリアルな人物像にも迫ってみてください。
ポーランドの人々やユダヤ人たちを襲った残忍で理不尽な戦争と迫害。