【医師監修】いぼ痔は自力で治せる? 原因と自宅でできる治療 (1/2ページ)
密かにいぼ痔の悩みを抱えている人は少なくないのではないでしょうか。あまり人に相談できないので、どう対処したらいいのかわからないですよね。そこで今回は、いぼ痔の症状や原因、ケア方法を医師の加藤淳先生に解説してもらいました。
■いぼ痔の症状って?はじめに「いぼ痔」は俗称で、正式には「内痔核」と呼びます。直腸下部から肛門部分との境(歯状線と呼びます)の粘膜の下に、ふくらんでこぶ状になったもの(静脈瘤)が内痔核の本体です。
一般的症状は排便時の出血や残便感、内痔核の脱出です。痛みに関しては程度によりますが、初期はほとんどない場合が多いです。痛みのない出血の場合、非常に大事なポイントは直腸癌や大腸癌などの悪性腫瘍、さらに比較的若年層では炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病等)との見極めが必要になります。
ちなみに「外痔核」というのは血の塊である「血栓」が肛門周辺に生じたもので、見た目はまさに黒い血豆様のこぶ。「内痔核」と比べかなりの痛みを伴います。
■内痔核の主な原因 (1) 排便時の過度な「いきみ」主に、慢性便秘症の症状です。排便時、過度に「いきむ」と、内痔核の原因に。また、下痢の場合も内痔核になりやすいです。
(2) 妊娠・出産などにともなう骨盤内静脈のうっ滞妊娠や出産などで子宮全体が膨らみ、骨盤内が圧迫されると、直腸下部、肛門部の静脈の血流が停滞します。
(3) 飲酒、香辛料などを過度に摂取飲酒や香辛料などを過度に摂取すると、肛門周辺にある静脈の血流が停滞します。
(4) 肝硬変などで門脈圧亢進の状態肝硬変などで、肝臓の病気である「門脈圧亢進」の状態になると、骨盤内にある静脈が停滞する場合があります。
■いぼ痔は放置しても大丈夫?いぼ核は、進行の程度によって1~4までのステージに分類されます。(※上を参照)大まかな治療法をまとめると、ステージ1、2は保存療法(手術なし)で、ステージ3、4は直腸肛門専門クリニックでの診察と治療(手術あり)が必要です。
◇ステージ1排便に出血を伴います。肛門外に内痔核は脱出しません。