癌が見つかった時に生まれて初めて自分が死ぬかもしれないと真剣に考えた話 (2/2ページ)

心に残る家族葬

だからこそ免疫が無く、こんなときどう対応するべきなのか、予想がつかなかった。今は早期発見であれば、完全回復が常識となってはいるが、癌と言えば死んでしまう非常に恐ろしい病気だ。この時、生まれて初めて自分が『死ぬ』ということを真剣に考えた。人は必ず死ぬ。

幸いにも、早期発見出来たこと、しかも進行の極めて遅いタイプの癌だったため、手術をすれば、その後の治療の必要もなく、またすぐに日常生活に復帰することが出来た。ただ、手術によって、私の大事な胃は今までの3分の1に縮小してしまったけれど。

■最後に…

手術の前夜、ようやく私は実感を伴って『死』というものが、眼前に迫ってきたのを感じた。真夜中の病院で一人、恐怖に押しつぶされそうになりながら、明日が無くなるとはどういうことか考え続けた。

人はそれぞれ違う。生き方も死も。そして死に方を選ぶことも出来ない。いつ死が訪れるかも分からない。ならば、今どう生きることが大切なのか、どう人と接するのが大切なのか、どうやって死を受け入れるべきなのか。なまじっか、色んなことを知ったり考えたり出来てしまう、人間という生き物は、本当に厄介だ。

その後、治療はしなくてもいいのだが、定期的に検査は行わなければいけない。それは例の、胃カメラ検査である。

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