【日本人が知らないニッポン】戦争と花火大会 夜空の彩りに込められた「慰霊のこころ」(静岡県静岡市) (2/3ページ)
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そして静岡市が駿河府中と呼ばれていた時代から観察してみても、このような都市破壊は歴史上静岡大空襲のみ。市民にとっては、「暗黒の歴史」と形容する以外にない出来事なのです。
・市内各企業が参加
戦後、ようやく落ち着きを取り戻した時期に安倍川で花火イベントが始まります。
日本人は「儀式好きの戒律嫌い」と言われていますが、多くの犠牲者が出た事故や事件のあとに慰霊の儀式を執り行なおうと考える点は性格的長所なのか、それとも短所なのか。
ただ、そういう性格だからこそ今の安倍川花火大会があるのは揺るぎない事実です。
静岡市は製造業で成り立っている都市。市内に拠点を置く大企業が、毎年花火を出しています。その中でもとくに豪華な仕掛けを披露するのが、三菱電機静岡製作所。多くの雇用を創出している企業として、それにふさわしい花火を見せてくれます。
当日はお弁当持参で、桟敷席のシートに腰を下ろして尺玉を見上げる。静岡市民にとって、この光景が「夏の風流」なのです。
もちろん、戦争の犠牲になった方々の慰霊も忘れません。先人がいるから、今の自分たちがいる。この花火大会はただのサマーイベントではなく、過去の悲劇と向き合い未来の平和を願う「黙想の場」であることをここに明記しておきたいと思います。
・減少する露店
ですが、ここ数年の安倍川花火大会にはある変化が訪れています。
それは以前に比べ、明らかに露店の数が少なくなったということ。
その理由についてここで断言することはできませんが、静岡市民は2014年の「冷やしキュウリ事件」と関係があるのではと考えているようです。