洗脳(マインドコントロール)にまつわる実話とそれがアメリカという国の形成に与えた影響 (3/4ページ)

カラパイア

その原因の一端を担ったのがヨースト・メアローとウィリアム・サーガントというサブカル御用達心理学者だ。

 軍が雇用した研究者とは異なり、彼らは洗脳とアメリカのマーケティング担当者や共産主義圏のプロパガンダが使う戦術を関連づけた。

 メアローは、ドイツやソ連の全体主義者あるいは中国の共産主義者は過去も現在も思考コントロールにかなり成功していると考えた。そして、その威力や精度は科学的事実の裏付けによって一層強化されていると述べた。

[画像を見る]

・洗脳の恐怖がアメリカへ与えた影響
 ”行動主義”と呼ばれた当時の人間の心に関する支配的な理論も追い風となった。パブロフの犬を思い出して欲しい。犬に餌を与える際にベルを鳴らし続けると、ベルの音だけで犬はよだれを流すようになる。

 行動主義の基本的な前提は、人間の心はまっさらな状態であり、社会的な条件によって形作られるというものだ。ロシアにイワン・パブロフがいたように、アメリカにはバラス・スキナーがおり、心理学によって行動の予測やコントロールができると論じられた。

 マインドコントロールの恐怖は依然としてアメリカを震撼させており、アレン・ダレスCIA長官は幻覚剤(LSDなど)や生体操作(睡眠の剥奪など)で洗脳が可能なのかどうか確かめる実験を許可した。

 1953年、プロジェクトMK-ULTRAが実施され、10年以上も続けられた。しかしウォーターゲート事件が発生すると、実験の露見を恐れたCIAはその証拠隠滅を図る。それでも20,000点もの関連文書が残されており、薬剤、感覚遮断、催眠、電気ショックを用いた人体実験が行われていた事実が明らかとなった。

 こうした洗脳実験の伝統は今もなおアメリカで生きている。かつてアメリカ兵を鍛えるために使われたものと同じ方法が、アブグレイブ刑務所やグアンタナモ湾収容キャンプの捕虜から供述を得るために使用された。

「洗脳(マインドコントロール)にまつわる実話とそれがアメリカという国の形成に与えた影響」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る