信頼はより深く強く。チーム・ジャパンへ大きな勝利。 (2/2ページ)
前半20分を越えたくらいから(相手が)動かなくなっていました。これ(ゲームプラン)を信じてやっていくんだ、ということは思いました」
そのPR山本に代わり、後半からピッチへ投入されたPR稲垣啓太。エディー・ジャパンでポゼッション重視のラグビーも経験した27歳も、好感触をつかんでいる。
「イメージはあります。良い感触はありますし、アタックもディフェンスも機能していました。なるべく相手のセットピースを避けて、相手を走らせて走らせて――というのがひとつのプランニングで、走らせて疲れさせることには成功していました」
ただこの日の試合に関しては、ジャパンにペナルティが頻発、結果的に避けるはずだったセットピースが増えてしまったという。
「セットピースが多くなった要因は(ジャパンの)ペナルティから、(相手の)タッチキック、モール――。今日はこのケースが何回もありましたよね。そこでちょっと我慢が足りなかったかなと」
指揮官のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ。記者会見でジャパンの試合内容に関して、まず以下の点に言及した。
「我々のゲームプランを全員がしっかりと遂行できるときには、非常にいい形でプレーできる、ということが明確になったと思います」
信頼して役割を遂行すれば、試合を有利に進め、勝利することができる――。ジョセフ ヘッドコーチにとっても、コーチ陣が提示するプランの有用性は強調したいポイントだった。
ルーマニア戦の勝利により、ファンを含めた“チーム・ジャパン”内の結びつきはより強まっただろう。
では果たして、ジャパンの戦術・戦略は次戦の相手にも通用するか。
この日、日本代表初キャップを獲得したCTBデレック・カーペンターは、日本語でアイルランド代表こそ難敵だと語った。
「今日の私たちのマインドセットは、キックとラインプレッシャーだった。ルーマニアには(効果があり)大丈夫だったけど、アイルランドは違う」
まさに真価の問われる2連戦だ。アイルランドとの第1テストは6月17日、静岡・エコパスタジアムでキックオフを迎える。チーム・ジャパンのさらなる一体感は生まれるか。
(文/多羅正崇)