<不定期連載 壁を打ち破れ!~サンウルブズの挑戦>  上野裕一ジャパンエスアール会長が考える日本ラグビー未来像⑤ 「フランスTOP14決勝戦の熱狂に触れながら再認識したこと~シーズンストラクチャー再構築について」 (4/4ページ)

ラグビーリパブリック

 SANZARRサイドからは「5年以内に優勝争いのできるチームにすること」という要求もあり、そのためにも現在のような日本代表資格のある選手だけではなく、チーム数が減ずることになるオーストラリアからマーキープレーヤーを雇用する必要があるのではないかというプレッシャーも当然出てくるでしょう。

 その一方で、日本代表クラスの選手たちがトップリーグチームを離れ、ある種サンウルブズと日本代表に専念するような契約を結ぶようになった場合、当然ながらトップリーグのレベルをどう維持していくかという問題もある。

 2019年9月のRWC開幕まで2年と3か月。

 残された少ない時間の中、地元開催RWCをいかに成功させるかに、日本のラグビーに携わる人たち全員の英智を集めなければならないことははっきりしています。

 その一方で、何度も繰り返してきたように、大会自体が成功したとしても、それが2019年以降の日本ラグビーの発展につながらないのでは意味がない。

 いまこそ、日本代表強化に直結するかたちでの日本国内のシーズンストラクチャーを再構築することが求められている――。

 それこそが、8万人の大観衆が熱狂するトップ14の決勝戦の場に身を置いてみて、改めて感じたことでした。

ueno

<プロフィール>

上野裕一(うえの ゆういち)

ビジョンは I contribute to the world peace through the development of rugby.

1961年、山梨県出身。県立日川高校、日本体育大学出身。現役時代のポジションはSO。

同大大学院終了。オタゴ大客員研究員。流通経済大教授、同大ラグビー部監督、同CEOなどを歴任後、現在は同大学長補佐。在任中に弘前大学大学院医学研究科にて医学博士取得。

一般社団法人 ジャパンエスアール会長。アジア地域出身者では2人しかいないワールドラグビー「マスタートレーナー」(指導者養成者としての最高資格)も有する。

『ラグビー観戦メソッド 3つの遊びでスッキリわかる』(叢文社)など著書、共著、監修本など多数。

「<不定期連載 壁を打ち破れ!~サンウルブズの挑戦>  上野裕一ジャパンエスアール会長が考える日本ラグビー未来像⑤ 「フランスTOP14決勝戦の熱狂に触れながら再認識したこと~シーズンストラクチャー再構築について」」のページです。デイリーニュースオンラインは、スポーツなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る