【高校野球】《スペシャルインタビュー》好素材・東晃平(神戸弘陵)は「好投手激戦区」の兵庫を勝ち抜けるか!? (1/2ページ)
7月8日に開幕する夏の高校野球・兵庫大会。今夏の兵庫県は好投手揃いだ。
センバツベスト4右腕の西垣雅矢(報徳学園)を筆頭に黒田倭人(神戸国際大付)、村上大芽(津名)、山本拓実(市西宮)など、ドラフト候補がズラリと並ぶ。お世辞抜きに枚挙に暇がない。春の県大会ではロースコアの接戦が多く、夏も熱い投手戦が予想される。スカウトの動きも例年になく活発だ。
そんな兵庫県で一押ししたい右腕がいる。神戸弘陵・東晃平だ。
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■柔らかいフォームで繰り出す快速球
東のストレートの最速は145キロ。トレーニング理論の進化などにより、全国的に140キロを出す高校生投手は珍しくなくなった今、飛び抜けた数字ではない。
しかし、東のストレートは明らかに出色。多くの高校生投手が「エイヤッ」と全身に力をみなぎらせて快速球を投げるなか、東のフォームは実にしなやかだ。
ゆるやかな始動から体の勢いに頼らずに鋭く腕を振り抜く。フォームの脱力感とボールの力感。このギャップは並大抵の高校生が実現できるものではない。「歩いて投げられる」という表現がピッタリだ。
「小さいときは阪神ファンでしたが、あこがれはダルビッシュ投手です」(東)
幼少期からの目標を聞いて、実に納得できた。フォームが瓜二つというわけではないが、肩、ヒジの柔らかさとマウンド上での余裕は甲子園で楽々と140キロ台を連発したダルビッシュを彷彿とさせる。
■幼稚園のときから欠かさぬストレッチ
抜群の身体能力と柔らかさを持つ東だが、その原点は父・博文さんと行っていた肩甲骨のストレッチだ。
「小さい頃に家のなかで壁当てをさせていたら、腕がいい位置から出てくる。じゃあ野球やらせてみよう、というのがはじまりですね。幼稚園のときから毎日欠かさず肩甲骨のストレッチをやらせました。最初は強制でしたが、習慣になっていきましたね」
と、父・博文さん。東は「父が熱血でして……」とやや苦笑いだったが、中学時代は120~125キロ程度だった球速がここまで伸びたのは、貯蓄が一気に現れた結果だろう。
また、東は高校に入ってから球速が伸びた理由のひとつに硬球が、合っていたことを挙げる。中学時代はクラブチームを経て2年から軟式野球部に所属。当時は「ボールが潰れる感覚」があったという。
軟球だから潰れて当然かと思うかもしれないが、意外にもこの感覚を強く持っている投手は多くない。ちなみに、昨年、ドラフト1位で日本ハムに入団した堀瑞輝(広島新庄出身)も中学時代は軟式野球部で当時の球速は120キロ後半だったというが、中学時代の話を聞くと「潰れる感覚」を語った。