貿易事務とは? 仕事内容や資格について知ろう

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「事務」は書類作成や電話対応などをする仕事ですが、中には専門性の高い業務を行う事務も存在します。例えば病院での事務を行う「医療事務」。事務能力だけでなく、レセプト業務に関する知識が必要な仕事です。他にもこうした専門知識を必要とする事務は幾つもあり、貿易に携わる「貿易事務」もその一つです。今回は、この貿易事務とはどんな知識を必要とするものなのか、またどうすればなれるのかをまとめました。



■貿易事務とはどんな仕事なの?

貿易事務は、貿易を行っている企業、例えば商社やメーカー、または船会社で「輸出入」に関わる事務を行う仕事です。

貿易事務の仕事は「輸出業務」と「輸入業務」の2つに大きく分けられます。輸出業務は、商品を輸出する際に必要となる通関の手配や書類の作成、また輸送自体の手続きも行います。輸入業務については、海外から商品が入ってくる際の通関の手配のほか、商品のチェックや輸入時に掛かる税金処理などが主な仕事です。

どちらも書類作成や手続き、またデータの入力や電話対応など、仕事自体は一般的な事務と同じではありますが、内容は全て貿易に関するものですので、貿易関連の専門知識が必須です。


■貿易事務には資格は必要? どんなスキルがいる?

貿易事務をする上で必ず取得しないといけない国家資格などはありませんが、業務として通関手続きをする場合は「通関士」の資格が必要となります。

通関士は国家資格の一つで、「通関士試験」に合格することで取得できます。通関に関する知識や実務、また関税法の計算といった、通関に関する知識を問われるものですので、取得することで、通関手続きができるようになるだけでなく、貿易事務に必要な知識を得ることができます。就職の際にも有利に働く資格ですので、貿易事務を目指すなら取得しておきたい資格だといえます。

通関士試験は、受験するために学歴や年齢、また経歴、国籍といった制限がないため、誰でも受験することができます。財務省関税局のHPによると、2016年(平成28年)に実施された「第50回通関士試験」は6,997人が受け、688人が合格(合格率9.8%)でした。


貿易に関する資格は、通関士の他に「貿易実務検定」もあります。これは『日本貿易実務検定協会』が行っている民間資格で、通関士試験と同様に、貿易関係の知識が問われます。通関士ではないので通関業務を請け負うことはできませんが、貿易業務に関わるには取得しておくことが推奨されます。


他にも、「簿記」や「MOS」など、事務に必要な資格も有しておいて損はないでしょう。貿易は海外の企業や業者とやりとりすることも多いため、外国語のスキルも重要です。英語はもちろん、中国語も覚えておくと役立ちます。

■貿易事務の収入はどうなっている?


貿易事務の収入は、一般事務と同等か、若干上であることが多いようです。例えば一般事務の場合、正社員だと給与は月14-18万程度。賞与も合計すると、年収は約300万円に届くか届かないかでしょう。貿易事務の場合は能力に応じて給与がアップしたりしますが、月20万前後、年収では高くても350万に届かないくらいの場合が多く見られます。

正社員以外の採用、例えば契約社員での募集も多くあります。その場合は時給での募集となります。金額は1時間1,000-1,300円程度。高いところならば1,500円というところもありますが、その場合は通関士などの資格が募集条件であるケースも少なからず見られます。


貿易事務とはどんな仕事かについてご紹介しました。日本はさまざまな国と貿易を行っていますから、輸出入を円滑に進める貿易事務の仕事は必要不可欠と言えるでしょう。一般事務職からのステップアップを考えている人は、貿易事務も候補にしてみてはいかがでしょうか。

(中田ボンベ@dcp)

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