「利益のためなら手段を選ばない」に君は共感できるか? 「写真週刊誌」が舞台のお仕事小説『エディター!』 (2/2ページ)

新刊JP

あっちも合意の上なんだから問題ないだろ(中略)出来ることは、とりあえず全部やってみる主義なの。俺は(P149-150より引用)

この広瀬の言葉は「会社の利益のために、より確実な手段を選んだに過ぎない」というニュアンスを含んでいる。
もちろん本作はフィクションであり、実際の週刊誌の編集部がそのような手段を取っているわけではない。しかし、「もしかして!?」と思わせるリアリティさが存在するのは事実だ。

週刊誌に対する世間の目は必ずしも良いとは言えないかもしれない。それは「他人のプライベートを覗いてお金を稼ぐ」という倫理観的問題に起因する感情のためだろう。
岬が抱いた感情は、読者の感情そのものと重なる。しかし仕事は仕事。我々が日々まじめに仕事をこなすのと同じことを、もしくはそれ以上の社会的信念を持って、広瀬は仕事をまっとうしようとした結果の行動なのだ。

もちろん犯罪や違法行為はNGである。しかし、大きな信念を持って何かに挑む、といった信念や覚悟は学ぶべきところがあるかもしれない。

(新刊JP編集部)

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