秋津壽男“どっち?”の健康学「不整脈と狭心症で危険度に違いは?狭い血管もカテーテル手術で治療可能」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 駅の階段を駆け上がった時に苦しくなるのも、心臓に送り込まれる血液中の酸素が足りていないという信号です。狭心症とは、心筋梗塞の一歩手前で、胸が圧迫されるような重苦しい痛みを感じます。そのまま、心臓に血液が行かなくなると、最悪のケース=心筋梗塞となります。

 あらかじめ、100メートル走は大丈夫でも400メートル走は苦しくなるなど、自分自身で危険なパターンがわかっているケースは「安定型狭心症」です。自己判断で、大丈夫なはずの100メートル走が50メートルぐらいで苦しくなると「不安定型狭心症」で、非常に怖いパターンです。

 命に関わる心筋梗塞の一歩手前である狭心症は、突然起きることは少なく、不整脈や心臓肥大などの前兆があります。

 不整脈には「軽い症状」が存在しますが、狭心症には軽い症状がないため、狭心症のほうが不整脈よりも怖いと言えます。

 心筋梗塞や狭心症は、高血圧や糖尿病、高脂血症などにより動脈硬化が進むと起こりやすくなります。激しい運動の際に起こる狭心症は強い胸の痛みを感じます。痛みが1~2分程度で止まればまだしも、それ以上痛むようならば即座に救急車を呼んでください。

 もっとも、今は狭い血管をカテーテルで広げる手術が進んでおり、狭心症は治療可能な病気です。不安な方は早めに検査を受けてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「不整脈と狭心症で危険度に違いは?狭い血管もカテーテル手術で治療可能」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2017年 8/10号“どっち?”の健康学狭心症秋津壽男不整脈カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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