ホーム沈黙させるも、残るは悔しさのみ。逆転負けサクラフィフティーンの矜持。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

敗戦直後のサクラフィフティーン。スタンドからは健闘に拍手が送られたけれど…。(撮影/出村謙知)

 4日前は立ち上がりの20分で崩れ、勝負は決した。

 何より悔しかったのは、自分たちのスタイルを僅かな時間しか示すことができなかったことだ。

 8月13日、女子ワールドカップの2日目。アイルランドは曇り空も、穏やかな天気に恵まれた。初戦でフランスに14-72と大敗した女子日本代表(サクラフィフティーン)はこの日、地元・アイルランドと対戦。大会プールマッチの舞台であるUCD(University College Dublin)の『ボウル』には地元ファンが大勢駆けつけた。

 紅白のジャージーは、そんな雰囲気の中でグリーンの集団に挑んだ。

 前回と同様、キックオフレシーブから始まったサクラフィフティーン。フランス戦ではそのキャッチミスからいっきに先制点を奪われたが、今回は違った。LO三村亜生がきっちり確保して前進。ラックからSH津久井萌がパントを蹴り上げると、周囲がしっかりチェイス。圧力をかけた。その後のアイルランドの攻撃もダブルタックルで止め、一人ひとりが粘り強く相手に刺さり続けた。

 そしてチームに勢いを与えたのがスクラムだ。小さく、低く固まって緑のFWを押す。

 HO齊藤聖奈主将は言った。

「バインド。そしてシンク(低く)。やってきたことを徹底しました」

 ペナルティーを得る。何度でも押せた。スタジアムは静かになった。

 先制点は前半26分過ぎ。アイルランドのゴール前で得たPKでスクラムを選択。ペナルティートライをもぎ取る(7-0)。

 前半終了前にはふたたび、ゴール前でスクラム。今度はNO8鈴木彩夏が左サイドを突いた。その後、右展開。フェーズを重ね、最後はFB清水麻有が右中間に飛び込んだ。コンバージョンも決まり、14-0でハーフタイムに入った。

 主将が会心の前半を振り返った。

「前の試合が終わってから、毎日、毎日、試合の入りがよくなるように、やるべきことを繰り返し全員で確認してきました。そして、試合中も具体的に声を掛け合い続けた」

 思い通りの40分。

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