「小林製薬」問題にみるネット広告の在り方が根幹から問われる話|やまもといちろうコラム (2/3ページ)
■ネット広告の立ち位置
また、そのような問題が横行していることと同様に、根深い問題はそういう広告で販売されている商品が果たして効果があるのか誰も確認できないというところにあります。
つまりは、実質的なステルスマーケティングのような状態で記事広告を踏ませているのと大差ないのですが、そもそもウェブサービスとはそういうものであって、アフィリエイト記事はたいていそういう広告が踏まれやすいように仕向ける記事を書くのがノウハウとされてきました。小林製薬もそれ以外のターゲティング広告もまさかそれがアウトになるとは思わなかった、といったところでしょうか。
ならば堂々と記事広告を掲載すればいいじゃないか、あるいはブランディング広告を作れば必要な人に届くはずだと思うわけですけれども、実際にはそうは簡単にはなりません。それは、このような広告に依存する商品は健康食品の中でも効果が乏しいとみられるレベルのものが多いことが理由になります。
先日も水素水絡みで最大手の日本トリムが他の商品と効能や仕組みが混同され怒りのプレスリリースを出していましたが、日本トリムの水素水でさえ実際に医学的根拠があるのかと言われると非常に根拠があいまいな科学論文ひとつに依存していて、見ているこちらが大丈夫なのか不安に思うような内容です。
日本トリム「水素水に対する中傷」で株サイトに抗議 - Y!ニュース
また、痛い関節痛に効くとして市販されているグルコサミンやコンドロイチンなどの健康食品は、調査の結果まったくといっていいほど治療効果がないことが明らかになっています。膝の痛みは関節の軟骨の劣化や、周辺の筋肉の衰えが理由で痛みを発することが知られていますが、その物質を口から食べて痛いひざなどの間関節に効くなどということは当然あり得ないわけです。本当にそのような仕組みで患部の痛みに効くのであれば、薄毛で悩む男性は髪の毛を食べれば生えてくるのかという話になるわけです。