「小林製薬」問題にみるネット広告の在り方が根幹から問われる話|やまもといちろうコラム (3/3ページ)
■消費者庁のメス
さらには、疑似科学の決定版とも言える食べて肌が綺麗になるというコラーゲンも、効果がないことがすでに判明しています。当然のことながら、コラーゲンを食べたら分解されてただのアミノ酸になるわけで、コラーゲンを一生懸命食べて肌をきれいにしたいという願いは分かりますが最終的にはただただ太るだけです。
健康食品の有効性については、かねてから問題は指摘されてきましたが、それでも健康に留意したいという気持ちがある種のプラセボ効果を生んで気休めぐらいの実感は得られるのかもしれません。ただ、医療情報に関しては別です。具体的に人の生き死にがかかるような状況でうっかり「これを飲めばがんに効く」と思わせてしまうような広告の貼り方に問題があるのはいうまでもありません。
そしてついに、健康食品の誇大広告に対して消費者庁がメスを入れる日が来ました。
本当に消費者庁による措置が出るかどうかが分かるのは先のことですが、行政文書で具体的にこのような表現でも優良誤認を導くような広告は免責されないことがはっきりしたのは画期的です。ぜひ物事がよりよく動くように進めていっていただきたいと願うばかりです。
もちろん、ネット界隈に長く暮らしている私の頭をよぎった文言はただひとつ。
「いままで、なんだったのか?」
著者プロフィール
ブロガー/個人投資家
やまもといちろう
慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数
公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)
やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研