「政務活動費」のネコババ実態を全国ローラー告発する(2)5億円の93%を使っている (1/2ページ)

アサ芸プラス

「政務活動費」のネコババ実態を全国ローラー告発する(2)5億円の93%を使っている

 不正受給が相次ぐ政活費は、12年に地方自治法が改正されて、それまでの「政務調査費」から改称されたもの。地方議員が行う調査研究等のため、議員報酬とは別に自治体から支給されているのだが、その実態から「第二の給料」と呼ばれている。政務調査費の時よりも使途の対象が拡大し、「その他の活動」が追加され、陳情活動なども含まれるようになった。

 それを悪用したのが、14年に不正受給を問われて「号泣会見」した野々村竜太郎元兵庫県議(51)。架空の日帰り出張を繰り返して、3年分の政活費約1800万円をダマし取っていたのだ。

 残った分は返還する仕組みになっているが、支給方法や金額は自治体ごとにバラつきが見られる。

「埼玉県は県議1人当たり月額50万円。狭山市(埼玉)だったら月額2万円だから、悪いことをしようとも思わないでしょう」(田中氏)

 先の沢田氏が所属していた埼玉を見てみると、16年度分の政活費の支給総額は5億1556万円。実際に使った金額の割合を示す「執行率」は93.2%で、ほとんど使い切っている。

 埼玉県議の議員報酬は月額92万7000円(役職なし)。期末手当(ボーナス)を合わせると、年収1500万円を超える。そればかりか議会中は出席日数に応じて、「費用弁償」として交通費を支給。埼玉県議の場合は、自宅住所から議会までの距離によって金額が変わるが、最低でも1日6000円支払われている。

 埼玉に限らず、庶民が羨む高給取りでありながら、地方議員がそれに見合った仕事をしているとは思えないと疑問を呈するのは、国会議員の元政策秘書で作家の朝倉秀雄氏。

「国会議員は通常国会で150日、秋には臨時国会もあるので1年の半分以上は働いています。一方で、地方議員は基本的に年4回の定例会が行われるだけで、会期日数は100日もない。兼業で別の仕事をしている人も多いんです。議員が政策条例を提案することもほとんどないので、政活費を支給する必要はあるのでしょうか」

 その“暇”な時間をフル活用したのか、大分の毛利正徳県議(57)は驚くべき政活費を計上している。14年度分で燃料代約245万円を申請。領収書を提出することなく、調査活動のため、マイカーで1年間に約6万6400キロを走行したと報告している。

「「政務活動費」のネコババ実態を全国ローラー告発する(2)5億円の93%を使っている」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2017年 9/14号朝倉秀雄毛利正徳議員政務活動費社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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