【プロ野球】菊池雄星(西武)と東浜巨(ソフトバンク)が挑む投手三冠王。かつてはこんな選手が達成していた! (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■神の子から神へ。もはや生ける伝説

■田中将大(ヤンキース)
2011年:防御率1.27/19勝(5敗)/勝率.792
2013年:防御率1.27/24勝(0敗)/勝率1.000

 駒大苫小牧高時代からスター街道を歩み、楽天入団後も2007年のルーキーイヤーから11勝を挙げるなど、看板に偽りがなかったことを世に知らしめた田中将大。野村克也元監督からも「神の子」と称され、日本のエースになるのも時間の問題と思われた。

 そのときが訪れたのはプロ入り5年目の2011年。1点台の防御率が田中を含めて4人、15勝以上も4人生まれるというハイレベルのタイトル争いが繰り広げられるなか、主要3タイトルのすべてで頂点に立ったのだ。

 最多勝だけはホールトン(当時ソフトバンク)と分け合ったが、ダルビッシュ有、和田毅(ソフトバンク)、杉内俊哉(当時ソフトバンク)ら、並みいる好投手を抑えての快挙。まさに「田中時代」が到来した瞬間だった。

 田中はその2年後、再び投手三冠王を達成する。ただ、一度も負けずにシーズン24連勝(前年のシーズンと同年のポストシーズンを合わせると30連勝)を達成したものだから、その反響が大きすぎて防御率1.27という抜群の記録がやや霞んでしまう結果に。

 投手三冠王の快挙を、さらなる快投で忘却の彼方へ追いやるような投手はそう簡単に現れないだろう。

■向けたベクトルの正しさを証明

■大谷翔平(日本ハム)
2015年:防御率2.24、15勝(5敗)、勝率.750

 2013年の日本ハム入団以降、賛否両論あった大谷翔平の二刀流。否定派の声を自ら封じ込めようとするかのように、2015年、大谷は投手三冠を獲得した。

 とはいえ、歴代の投手三冠王に比べたら成績はやや低い。しかも打者としての成績は前年のシーズンよりも軒並み下がっているので、否定派の声を完全にシャッタアウトしたとは言えないかもしれない。

 しかし、2016年に投手として2ケタ勝利(10勝)を挙げ、打者として2ケタ本塁打(22本)を成し遂げたことを考えると、2015年の投手主要3タイトル総取りが、大谷がさらに自信を深めるきっかけなったことは間違いないだろう。

「前代未聞なスタイルに取り組んだことが間違いでなかった」。稀代の天才が結果を出していく様は、自らの存在意義を確かめているようにも映る。

■競り合いの末に出る答えとは

 ちなみに2000年以前の投手三冠王となると、1961年の稲尾和久(西鉄)まで遡ることになる。「鉄腕」の二つ名を持つ、まさに昭和を代表する大投手だ。

 パ・リーグは1973年から2001年まで最高勝率を正式なタイトルから外したことも関係しているだろうが、そうでなくとも名前が挙がる歴代の投手を見ても、おいそれと達成できるものでないことは確かだ。

 そんな「超」がつく大投手たちに、東浜と菊池は肩を並べることができるのか。答えが出るまでの約1カ月間、彼らの投球をしっかりと見ておきたい。

文=森田真悟(もりた・しんご)

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