最新技術で完治も不可能ではない 死に至る慢性膵臓炎対策 (2/3ページ)
「膵臓炎は飲酒やストレスが原因の一つだと言われました。遺伝性の場合もあるという話でしたが、よく考えると、仕事が忙しく、休みもあまり取れなかった。この病気の特徴として、患者の6〜7割が膵石を持っているそうです。私も同じように膵石がありましたが、それが問題なんです。医者が言うには、膵臓から消化酵素を十二指腸に送り出す膵管を膵石が詰まらせる。そうなると痛みを招くことになり、私も同じ状態。これを放置していると、膵臓の炎症を悪化させてしまい、進行すると膵がんになるという。怖くなって、石を除去しなければ、という思いを強くしました」(大塚さん)
大塚さんは見舞いに来た知人から、ネットで調べた膵臓炎の治療法を紹介され、衝撃波で膵石を砕くことを知らされた。そこで意を決し、担当医にセカンドオピニオンの相談を持ち掛け、今年3月、名古屋市の藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院に入院した。
同病院の膵石破砕の治療法は、確かに以前の治療とは違った。装置の上の寝台にうつ伏せになった状態で約1時間、3000発の衝撃波を照射する治療を週2回のペースで受けたという。
そして計6回の治療を終えた後、十二指腸に入れた内視鏡から細長いカテーテルが膵管に抽入され、その後、砕けた石が取り除かれた。
「石が取り除かれると、何か体が軽くなったような気分になりました。手術をせずに石が取り出せたのは、本当にありがたい。ただ、安心はしていません。再発の可能性もあると言いますから、医師のアドバイスを受け、しっかりと再発防止に努めます」(同)
治療後の痛みもなく、大塚さんは服薬のほか、断酒、食事制限を続けているという。
衝撃波で結石を砕くという治療は、腎臓結石や尿管結石では普及しており、一般的にも知られている。ただし、膵石は患者数が少ないためデータが集まりにくいこともあり、公的な医療保険が使えない期間が続いていたが、2013年から適用されるようになった。
また、全国34施設で'01〜'05年、臨床研究などで実施された膵石患者890人の治療結果を調べたデータでは、石が完全になくなった割合は74.9%で、出血などの合併症も従来の手術と比べ低かった。だが一方で、再発した率は22.2%と、手術の1.5%よりも高いというデータもある。