誰だよ!? 日暮里で『世界の純潔モデル』がサイン会を開いていたので取材してみた。 (2/6ページ)
とりあえず、名刺」
「あ、スイマセン、改めまして、こういうものです」
「それで?今日は取材に来たの?」
「あ、はい。ちょっとだけ⋯⋯。というかほかのメディアさん来るんですか?」
「いや? でもVORGUEが来そうなんだけど、来てないね」
「アポはとったんですか?」
「いや?」
「え?」
「取ってないよ」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯ところでその⋯⋯純潔っていうのはどういう意味ですか?」
「文字通りの意味だ」
彼は私を見ずに、通りを見ながら横顔でそう答えた。
「もしかしてあなたはなにか血統主義的な⋯⋯あるいはそういった保守的な⋯⋯」
と言いかけたところで彼は手で私の口を遮った。「それは違う」
彼は曇りなきなき眼で私を見つめ、こう言った。
「彼女というものがいたことがない、ということだ」
「え”っ??!」
そこまで言うと彼は突然アンニュイな表情となり、通り過ぎていく電車の方に視線を送った。
「ないことはないが、それは、金とサービスのやり取りがあっただけのこと。私は心身を焦がすようなロマンスに出会っていないが、信じている。私の魂と肢体を焦がす情熱が、私の考えすぎてしまう脳内回路を焼き切るほどの恋が訪れることを。私はそれに出会えて初めて、純潔を失う痛みを知るのだよ」
「な⋯⋯なるほど⋯⋯」
「ところで、なんで日暮里なんですか?」
「私と同じく、日本には世界を視野に入れた奴らがいる。彼らは飛行機に乗り、世界を渡り歩き、己の価値を高めている。国際線といえば、まあ成田を想像するはずだ。