雪男かマンモスか!? 昭和の縁日で売られていた謎の「毛」 (1/2ページ)
最近は「とんでもないものを買わされた!」ということがなくなりました。100円ショップに行けば、呆れるほど安くて高品質なものがズラリと並んでいます。
とんでもないものと言えば、1970年ごろ、まだ世の中のことなど何も知らない小学生だったときに、東京・駒込の富士神社のお祭りで見た『見せ物小屋』を忘れることができません。仮設小屋の周りに飾られた“蛇女”や“謎の人魚”などのおどろおどろしくもどこかエロチックな絵看板。安物のスピーカーからけたたましく鳴り響く呼び込みの声。
その何ともいかがわしい雰囲気に飲まれ、わずかな小遣いのなかから木戸銭を出し、おそるおそる小屋のなかに入ったものです。
実際に小屋のなかで見たものは、身体に障害がある高齢の女性がヘビの頭をかじり切る、という、絵に描かれたイメージとはかけ離れていましたが、何かとんでもないものを見てしまった、という実感だけはいつまでも残りました。
さて今回ご紹介するのは、この小さなビンに入った“毛”です。
十数年前にオークションサイトで見つけました。「雪男やマンモスの毛かもしれません」という触れ込みが書かれたコレを見た瞬間に好奇心が刺激され、高額にもかかわらず落札してしまいました。
しまった! 『見世物小屋』の記憶がよみがえってきましたが、時すでに遅し(笑)。
中身は恐らく熊などの野獣の毛だと思います。このタダ同然の獣の毛をお祭りや縁日でテキ屋が“雪男の毛”だとか“マンモスの毛”などとでっち上げて、数百円で売っていたものではないでしょうか。記録にないので実際はよく分かりません。