安田司、王者・帝京大で得た「受け身にならない」の感覚。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

 大学選手権8連覇中の帝京大は、9月30日、東京・秩父宮ラグビー場で加盟する関東大学ラグビー対抗戦Aの2戦目に挑む。日体大の出足の鋭さに手を焼いていた序盤、気を吐いた1年生が安田司である。

「試合前から、自分の目の前のことに思いっきり行こうというテーマを持っていました」

 前半7分頃、自陣10メートル付近右の接点に身体をぶち当てる。攻守逆転。その直後には自陣深い位置からのランで魅し、続く16分には、敵陣ゴール前でのラック連取の止めとして勝ち越しトライを決めた。スコアを7-3としたこの場面について、当の本人は静かに振り返る。

「ただぶつかるのではなく、(相手の芯を)ずらすという練習をしてきていた。きょうの試合でもそれを活かせたらいいなと思っていました。それがトライにつながったので、よかったです」

 その後もオープンサイドFLとして相手の腰元へのタックル、突進などの職務を全うする。身長180センチ、体重108キロのこの人は、ひたすら身体をぶつけるのが好きなようだ。もっともチャンピオンチームのレギュラー候補らしく、計74分間のプレーをこう反省した。

「個人としても、課題だらけで…。視野が狭くなって、(防御ラインのなかで)横の選手と『誰にタックルに行く』といったコミュニケーションを取ることができていなくて、先輩たちに任せてしまったところがあった。1年生だからできないというのではなく、チームの代表として力をつけていかないといけないです。明日から、この試合を活かして努力をしていきたいと思います」

 

 大阪・常翔学園高の2年時、チームで帝京大の練習へ出向いたことがある。もともとテレビ番組などで知っていたこのクラブの特徴を肌で感じ、岩出雅之監督からの誘いを受けることにした。

「4年生が雑用などをしていて、1年生は余裕がある分、成長できる。そこに魅力を感じました。他の大学に行くことも考えたのですけど、高校の監督、家族とも相談しても『帝京が一番、合っているのではないか』となり、最後は自分で決めました」

 入学するや、関東大学春季大会で3度の出番を得る。当初は「上級生に任せっぱなしだった。チームに迷惑をかけてしまっていた」と、白星を重ねるなかでも下を向いていた。

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