基本プレーを当たり前に。筑波大・鈴木啓太、1季遅れの最終学年に賭ける思い。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

 鈴木啓太が、浪人の末に門を叩いた筑波大ラグビー部で最終学年を迎えている。春先、副将として挑むシーズンをこう見据えていた。

「もちろんチームとして最高の結果を残したい。また、個人的にも1年から試合に出させていただいていますが、ちゃんと成長しているというところを見ていただきたいです」

 長らく不動のインサイドCTBとして屹立。身長174センチ、体重84キロと決して大柄ではないが、防御の死角へ鋭く駆け込みチャンスを作る。時にタックラーの裏側へのキックを配すなど、年を重ねるごとにプレー選択の幅も広げてきた。身体能力のみに頼らぬ戦いざまについて、かつてこんな考えを明かしていた。

「守備をパッと観て、相手のいないところ、空いているところへ走り込む。それだけを意識します。あまり難しいことを考えると、動けなくなるので」

 筑波大と同じ茨城にある茗溪学園高にいた頃も、副将を務めた。3年時の第92回全国高校ラグビー大会では、準々決勝で当時大会4連覇を狙っていた東福岡高校を31-24で破る。クラブの伝統たる、テンポの速い展開攻撃を支えた。

 その前後に19歳以下日本代表、高校日本代表にも選ばれ、「自分のプレーの幅が広がったかな、と思います。できることとできないことがはっきりした」。当時の茗溪学園高で主将を務めたSHの大越元気(現サントリー)は、こう証言する。

「ラグビーをわかっているな、と感じます。ミーティングの時もそういう(的を得た)発言がありましたし、高校の時は頼りになりました」

 ちなみに大越によれば、鈴木は学業優秀でも鳴らしたようだ。得意科目の生物には暗記項目も多かったが、「ラグビーと一緒で、やるしかない。課されたことなので、頑張るところは頑張りました」と本人。もっとも高校卒業後は、浪人生活を強いられる。

 1月まで全国大会で楕円球を追い、一般入試での大学合格を目指した結果だ。

「推薦で取ってもらえるところがなくて一般入試をするしかなかった。学校の勉強はやっていたんですけど、受験用の勉強はしていなくて…という感じです。浪人の時はラグビー、していなかったですね。最初の1か月くらいはボールを触っていたんですけど、寂しくなって。

「基本プレーを当たり前に。筑波大・鈴木啓太、1季遅れの最終学年に賭ける思い。」のページです。デイリーニュースオンラインは、スポーツなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧