基本プレーを当たり前に。筑波大・鈴木啓太、1季遅れの最終学年に賭ける思い。 (2/2ページ)

ラグビーリパブリック

パスを投げても自分で取りに行って、もう一度パスをする。…1人じゃないですか」

 必死に受験勉強をするなか、両親の「使える権利はすべて使え」というアドバイスを受け筑波大の推薦入試に合格。久々にラグビーに携わるや、すぐにチームの信頼を集めた。ブランクをものともしていないように映る同級生を、大越は「やっぱり、ラグビーが好きなんじゃないですか。自分をしっかり持って、周りに影響されずにしたいラグビーをやりきっているというか」と見た。

 当の本人は、目指す選手像を聞かれこう答えたことがある。

「それは、どんどん変わっていくと思うのであまりこれというのは決めていないですけど、言うのであれば、基本ができる選手でありたい。基本はおざなりになりがちですけど、一番、重要なので。何も考えなくても基本プレーが当たり前にできる…。そんな選手になりたいです」

 加盟する関東大学ラグビー対抗戦Aでは9月24日、東京・キヤノンスポーツパークでの慶大戦を26-43で落としている。10月1日には東京・秩父宮ラグビー場で明大とぶつかる。2試合目にして初勝利を目指している。

「1年生の時はがむしゃらにやって先輩たちについていく感じ。でもいまは、できなかったことができるようになっていたりするところを見ていただけたら。後輩に何かを残したいですし、周りにも、あぁ、うまいんだなと思ってもらえたら嬉しいです」

 卒業後は、トップリーグで上位を争うクラブでラグビーを続けるつもりだ。鈴木のプレーするCTBに海外出身選手を在籍させるクラブも多いなか、凡事徹底の凄味を貫いてゆきたい。

(文:向 風見也)
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