ボディブローの40分。武井日向のインパクト。明大、筑波大撃破までの計画。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

 真っ向勝負の心意気があった。

 10月1日、東京・秩父宮ラグビー場での関東大学対抗戦Aの2戦目。21季ぶり13度目の大学日本一を目指す明大に対し、筑波大は鋭い防御で応戦する。具体的には、相手ランナーのやや外側に立つ選手が接点方向へ鋭角に飛び出した。

 明大は、スペースを切り裂くBK陣がキックオフ直後などにミスを連発。相手のWTBである仁熊秀斗に2トライを許し、21-21とタイスコアで前半を終える。球を持っても突進役のFW陣は、例の防御との我慢比べを強いられていたように映った。

 もっとも当事者は、やや別な実感を抱いていた。80分トータルで当たり勝ち、走り勝つイメージを信じ切っていたのだろう。

 明大のFLである前田剛は、飛び出すタックラーの背後を突くなどのプレーをあえてしなかったと振り返る。

「もし前半のうちから裏の(背後を抜け出す)プレーを使っていたらそのうち対応される。前半はボディブローを打って、後半勝負という話は最初からしていました」

 

 事実、ハーフタイムを経ると、この「ボディブロー」の効力を発揮させる。攻撃システムを整理したことと相まってか、1対1で競り勝つ局面を徐々に増やしてゆく。終わってみれば68-28と大差で勝利し、前田はこう続けたのだった。

「前半は上がってくる選手に真っ向勝負で身体をぶつけて、後半、相手がばててきたところでFWがBKにパスをしたりして、ディフェンスをコントロールした感じです」

 特に光ったのは、後半から出場したインパクトプレーヤーだ。新人のWTBである石川貴大は持ち場を問わずスペースへ駆け込み、再三、チャンスメイクする。

 加えてFW陣における「ボディブロー」の打ち手として気を吐いたのが、武井日向だった。身長170センチ、体重97キロのHOは、接点の脇からの突進を連発。敷き詰められた筑波大の防御網に、何度も亀裂を入れる。最前列中央で組むスクラムでも、相手の反則を誘うなど概ね組み勝った。

「インパクトを与えてこいと言われていました。日頃の練習中からボールキャリー(突進)などは意識してやっていたので、それを出すだけでした」

 両軍陣営をうならせたのは、後半23分のトライシーンだ。

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