ラグビー人生最後の年。筑波大LO堀込紀行(理工学群数学類4年)の熱量。 (2/2ページ)

ラグビーリパブリック

でも、うちは全員が一緒に始められる」

 毎日、ペンを置き、ノートを閉じたら、すぐにグラウンドに向かってきた。

 埼玉・蓮田の出身。教育方針が気に入って、北海道の函館ラ・サールへ進学した。先輩に誘われてラグビー部に入部。中学、高校と寮生活を送り、北の大地で楕円球を追った。

 このスポーツに出会えて本当によかった。

「ラグビーをやっていなかったら、平凡な人生を歩んでいたと思うんです。人間的に成長させてもらえました」

 4年生になって、内面に変化が起きている。

「試合に出られないメンバーのことを、すごく意識するようになりました。試合中、周囲とコミュニケーションをとることもだいぶできるようになった」

 ミスから目をそらさなくなった。

「(自分にとっての)最後の年です。ラグビー人生の集大成を」

 今年の5月から6月にかけて、母校へ教育実習へ行った。中学・高校のラグビー部の指導にもあたった。そのときの教え子たちは南北海道の予選を勝ち抜き、この冬、2年ぶりに花園のピッチに立つ(2度目)。

 刺激をもらった。

 教育実習の時は、まだ未完だった後輩たちが大きく変わっていた。

「決勝戦の模様を映像で見たのですが、3年生たちがチームを引っ張っていました。自分も、もっと体を張らないと」

 以前は数学の教員を目指していたが、いまは大学院卒業後は違う道に進もうかとぼんやり考えている。学んだことを生かし、企業などで新たなことを生み出す(コンピューターのソフトウェア開発など)。そんな人生に魅力を感じる。

「人と刺激を与え合って、互いに成長していけたら面白いだろうな、と」

 チームが生み出すパワーを信じる。それは、数字ではあらわせないものだ。

 関東大学対抗戦Aでの残り試合は、あと5つ。でも、堀込紀行のラグビー人生は、残り5試合とは決まっていない。

 増やすのも減らすのも自分次第だ。

 

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