ラグビー人生最後の年。筑波大LO堀込紀行(理工学群数学類4年)の熱量。 (1/2ページ)

ラグビーリパブリック

明大の前進を体を張って止める筑波大LO堀込紀行。(撮影/松本かおり)

 185㎝。目立って大きいわけではない。ただ、絶対に手も気も抜かない。タックル。ラックに頭を突っ込む。そして、またタックル。

 密集の下敷きになっても、何度も何度も這い出して起き上がり、すぐ走り出す。セットプレーでは跳び、持ち上げ、しっかりパック。力いっぱい押す。

「なぜ、自分がメンバーに選ばれているか。その理由を考えたことはありません。試合に出るからには頑張る。それだけです」

 正しい。

 日常から周囲に見せているその意識、プレーを評価されて試合に送り出されているのだから、ありのままの自分を出し切るだけだ。

 10月1日に秩父宮ラグビー場でおこなわれた明大×筑波大の中に堀込紀行(ほりごめ・のりゆき)はいた。最終的には28-68で敗れたが、前半は21-21と対等に戦った筑波大の背番号4。地道に、そして武骨に体を張り続けた。

「今年の筑波は、前半も後半も立ち上がりはいい感じでやれているんです。でも、前半の終盤、試合の終盤に失速してしまう。(今季初戦、26-43と敗れた)慶応戦もそうでした。だから、今日はそこをなんとかしようと話していました。前半はチームとしても、個人としてもよく戦えたのですが」

 後半15分、21-40といっきに差を開かれたところでベンチに下げられた。「ショックでした」と振り返った。

 大学4年生になって、春からスタメンに名を連ねることが多くなった。しかし、今季がラグビーをやるのは最後の年になると思っている。

 大学院に進学するからだ。

 理工学群数学類に学んでいる。明大戦の先発メンバー15人の中で、アスリートを輩出する体育専門学群以外に学ぶ者は自分ひとりだった(リザーブのPR荻原嵐、FL森太生も理工学群に学ぶ)。

 大学進学前は、どの大学で勉強とラグビーを両立させるか悩んだけれど、この大学に来て本当に良かったと思っている。

「筑波は平等なんです。練習が始まる時間が、すべての学群の授業が終わった後の時間です。他の大学に進学した友だちとかと話すと、理系だから練習に遅れて参加しなければいけない…とか聞きます。

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