姫乃たまに聞く、「地下アイドル」という職業の実情<前編> (4/5ページ)
――そこまでは言い切れない、と。
姫乃:「地下アイドル」って、一つの仕事なんですよ。だから、他の仕事と同じように性格的な向き不向きがあるし、女の子が個人でできる分、ハイリスクな部分もあります。
ただ、華やかで競争が激しくて、女の子が怖い人の食い物にされているというイメージは払しょくしないといけないと思っているから、その意味でもありのままを伝えられる新書でこの本が出せて良かったと思います。

姫乃:分かりやすいところでいえば、地下アイドルの現場ですね。それは、「危険」という意味ではなくて。
アンケートの結果からも見えたんですけど、地下アイドルは親から愛されて育った子が多くて、でも学校生活の中でいじめに遭ったりして、その愛情をもう一度獲得しようとしてステージに立っているんです。一方でオタク側も同じような欲求を持っていて、実はアイドルと鏡合わせになっていると思うんですね。
先日、『もしもし、今日はどうだった』というアルバムをリリースしたんですけど、それは藤子・F・不二雄さんの「やすらぎの館」(*3)というSF短編をモチーフに、聴いてくれる人をどれだけ癒せるかということがテーマになっています。それで、実は地下アイドルのライブ空間自体が「やすらぎの館」状態になっているんじゃないかと思って。
――ライブという空間が「やすらぎの館」になっている。(*3…巨人症の女性が働いている会員制のクラブを紹介された大企業の経営者が、ホステスを母親代わりにして甘え、やすらぎを感じながら子どもに戻っていくという物語。『藤子不二雄異色短編集(2)やすらぎの館』に収録)
姫乃:はい。地下アイドルの子も、ファンの人たちも、お互いが安らぎのようなものを求めて現場に来ているという実感があるんです。