【日本人が知らないニッポン】正倉院展が伝える「交易大国日本」 (2/2ページ)
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奈良
・古代のガラス器が壊れることなく
また、見逃せないのがガラス器です。今年の正倉院展では緑瑠璃十二曲長坏(みどりるりのじゅうにきょくちょうはい)が出陳されました。5年前の第64回正倉院展では、学校教科書にも掲載されている奇跡の器・瑠璃坏(るりのつき)が登場し全国的な話題となりました。
これらは多くの場合、遺跡の中から出てきます。もちろん、バラバラに割れた状態です。現代の学者は、それをパズルのようにつなぎ合わせて形を再現します。
それが一片の欠けもない完全な状態で保管されているというのは、国際的に見れば「驚愕すべきこと」に他なりません。しかもこうした遺物は、戦争や動乱に対して極めて脆弱です。中東の国では、イスラム過激派に世界遺産や博物館を破壊されるということが頻発しています。
正倉院展から見る「日本人が知らないニッポン」は、同時に「中東市民が知らない中東」でもあるのです。
・2300円で正倉院展を楽しむ
残念ながら正倉院展は開期が短く、館内は撮影禁止です。展示品の魅力を、この記事ですべてお伝えできないのは何とも歯がゆいと筆者も感じています。
ですがこの展示会は、入場料も図録の販売価格もかなり安く設定されています。今年の正倉院展の入場料は大人当日1100円、図録は1200円です。
会場は毎年、奈良国立博物館が指定されています。ここへのアクセスは近鉄奈良線が一番便利で、正倉院展開期中の近鉄奈良駅では入場券の臨時販売が行われています。
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