玉木正之のスポーツ内憂内患「安倍首相、ゴルフの政治利用には呆れ果てた」 (1/2ページ)

アサ芸プラス

玉木正之のスポーツ内憂内患「安倍首相、ゴルフの政治利用には呆れ果てた」

 かつて「緑の待合」という言葉があった。

「待合」とは、仕出し屋から料理を取り、芸妓を呼んで遊ぶ部屋。明治以来、日本の政治家たちが密談をする場所として大いに利用したので、「待合政治」という言葉まで生まれた。

 戦後も60年代の初期頃までは「待合政治」が蔓延していた(60年安保の自民党の単独強行採決の決定も、「待合」で話し合われたという)が、60年代から政治家はゴルフ場で密談することが多くなり、そんなゴルフ場を、ノンフィクション賞にその名を残す大ジャーナリストの大宅壮一氏は「緑の待合」と呼んだのだった。

 その「緑の待合」も今では死語となり、そもそも「密談政治」が非難されるようになったのだが、まさか21世紀の今になって復活するとは思わなかった。

 アメリカのトランプ大統領と日本の安倍首相が、プロゴルファー世界ランク4位の松山英樹を「呼んで」「実りある会談」を行った(安倍首相)というのだ。

 バカも休み休みにしてほしい。松山プロは殊勝にも「この経験を生かしたい」との感想を発表したが、シーズン中のプロスポーツ選手を「権力者」が呼びつけて一緒にプレーさせるなど、スポーツとスポーツマンを馬鹿にするにもホドがある。これではまるで、贔屓筋が横綱を宴席に招いて酌をさせるようなものだ。

 事情通に話を聞くと、今年の2月アメリカで日米首脳会談が行われたとき、フロリダのトランプ大統領所有のゴルフ場でゴルフを行い、食事をともにした。その際、大統領が松山プロの話を持ち出し、軽い調子で、一緒にプレーしてみたい、と口にしたそうだ。それを忘れずチャンスと受け取った日本側が、トランプ大統領の来日に合わせて「ゴルフ(外交?)」をセッティング。松山プロにスケジュールを空けさせたという。

 それだけではない。

 トランプ大統領とラウンドするのに、都心に近く、日本で最も素晴らしいゴルフ場の一つとして霞ヶ関カンツリー倶楽部が選ばれたが、都心からクルマで行くと2時間はかかる遠さ。そこで大統領専用機エアフォースワンの着陸地が、当初予定されていた羽田から横田米軍基地に変更され、そこからヘリコプターでゴルフ場へ移動することになった、と先の事情通は言う。

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