“難治性”の場合は要注意! 冬の“かゆみ”を抑える方法と落とし穴 (2/3ページ)
あまりのかゆさに耐えきれず、ついつい掻きむしって皮膚に傷をつけ、細菌による感染症を起こすこともあれば、腎不全などの腎機能障害まで起こすこともあるという。
順天堂大学大学院医学研究科・環境医学研究所所長で、かゆみの最新研究をおこなっている高森健二氏も、自らの著書で、「かゆみは重大病のサイン」と記している。
かゆみを引き起こす主な原因は、肥満細胞から分泌される「ヒスタミン」という物質だ。これが皮膚中にあるかゆみを感じる神経と結合することでかゆくなる。代表的な病気に、じんましんがあり、見た目も赤く腫れるなどの異常が起こるが、抗ヒスタミン薬を飲めば、ほとんどが治る。
「しかし、それでも治らない“難治性のかゆみ”の場合もあります。主に皮膚の乾燥によって生じるのですが、保湿剤をいくら塗っても効き目がない場合、我々は“重大病”を疑わなくてはなりません」(高森氏)
つまり、空気の乾燥が原因ではなく、体内に生じた病気の影響により、皮膚が乾燥して起きるかゆみの方が危ないという。中でも多くみられるのが、前述した腎不全などの腎機能障害だ。
「慢性腎不全や尿毒症になると、『オピオイド』と呼ばれる体内物質のバランスが崩れ、オピオイド自身が、かゆみを抑えるオピオイドより多くなるのです。人工透析治療でも、強いかゆさが続き、長年、多くの患者が悩まされてきた。しかし近年は、そのかゆみを引き起こすオピオイドを抑える薬が開発され、救われる方もいます」(同)
難治性と言われるかゆみには、他にも肝硬変や肝臓を患うことで併発する原発性胆汁性肝硬変もあるという。肝臓の中の胆管が炎症によって破壊され、胆汁の中にビリルビンと呼ばれる成分が全身に回り、激しいかゆみを生じてしまう。しかし、これまでは原因不明とされてきたオピオイドの発見により、新たにナルフラフィン(オピオイド受容体作動薬)の効用も確認されているという。
「ただ、こうした動きも、はっきりしたメカニズムは分かっていないことが多いのが現状です。胃や肝臓、腎臓、膵臓などのがんも、かゆみの原因になるとされ、症状の報告も多く、がん細胞がかゆみを起こす何らかの問題を起こしていることも指摘されている。