日馬富士殴打事件裏に日本相撲協会vsモンゴル力士25年の怨念 (2/3ページ)

週刊実話



 やがてモンゴル人力士たちの上位進出が相次ぎ、怨念は「モンゴル人同士の対立・衝突」に大きく変質。仲間内の足の引っ張り合いや分裂が始まった。その代表的なものが、平成15年名古屋場所での朝青龍対旭鷲山の激突だろう。
 この2場所前に、朝青龍はモンゴル人初の横綱に昇進したばかり。モンゴル人力士No.1の座に就いた新興勢力と、かたや、旭鷲山にもモンゴル人力士のパイオニアとしての意地がある。両者のプライドが、トラブルの背景にあったのだ。
 この場所の5日目、朝青龍が旭鷲山のマゲを掴んではたき込み、横綱にあるまじき反則負けを課せられた。このときの旭鷲山の勝ち誇った態度が目についたのか、これが伏線となり、3日後の取組後の風呂場であわや掴み合いの衝突に発展。魁皇が止めに入り事なきを得たものの、怒りが収まらない朝青龍は、駐車場で旭鷲山の車のドアミラーを肘うちして壊してしまった。

 このトラブルは、朝青龍の師匠・高砂親方(元大関朝潮)が謝罪し、ドアミラーの修理費も弁済したためになんとか収束したが、朝青龍によるトラブルは、これだけにとどまらなかった。今度は後輩の白鵬ともいさかいを引き起こしたのだ。
 平成20年夏場所千秋楽、横綱になって6場所目の白鵬に「オレに勝つのは3年早い」と言わんばかりに引き落として勝った後、上から抑え付けてダメを押したのだ。これに怒った白鵬が右肩をぶつけ、土俵上でにらみ合いに発展。両者は審判部から厳重注意を受けた。

 朝青龍は、日本人力士にも怒りの矛先をぶつけた。平成14年初場所には大関栃東に猛烈な張り手で血まみれにして批判を浴び、同年の秋場所には右ひざの怪我を押して8場所ぶりに出場した横綱貴乃花に敗れた後、
 「チクショー、あの足を蹴飛ばしてやればよかった」
 と発言し猛批判を浴びた。
 その後、モンゴル人力士の天下が続き、これまでの怨念を晴らすようにやりたい放題。とりわけ目の敵にされたのが、「日本人力士期待の星」と言われていた稀勢の里だ。徹底的にいじめられ、そのために横綱昇進も大きく遅れた。4年前には二所ノ関一門の連合稽古で日馬富士から顔面に張り手を食らい、土俵を割っているのにまだ攻撃された。

 そんなモンゴル人力士たちの好き放題ぶりが頂点に達したのが3年前。
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