故・勘三郎丈が生涯に一度しか演じなかった伝説のお役。シネマ歌舞伎「め組の喧嘩」公開中 (2/3ページ)
あらすじ
さて北が吉原なら、南は品川宿の島崎楼で事は起こります。相撲取の四ツ車(中村橋之助丈)らが呑んでふざけているうちに、よろけて隣の部屋へ突っ込んでしまいました。その隣で呑んでいたのがめ組の火消し衆だったのです。
め組の火消し衆は怒り、鳶頭の辰五郎(中村勘三郎丈)を筆頭に、息巻いて相撲取の部屋に乗り込んで来ます。しかし「立派な士分の相撲取とたかが鳶では、身分が違う」と取り合ってもらえず、この騒動は無かったことに。血気盛んなめ組の若者たちを諌めつつ煙管をくわえ、静かに怒気を放つ辰五郎は、その場を上手く収めて引き下がります。
しかし辰五郎は引き下がるふりをして、実はこっそり意趣返しを考えていたのでした。
心温まる家族愛みどころの1つは、辰五郎と女房子の心温まる場面。こっそり力士への意趣返しの計画を進める辰五郎と、そんな辰五郎を「力士にやられっぱなしで情けない」と勘違いしている女房・お仲(中村 扇雀丈)。2人の間には可愛い倅の又坊が居ます。
ある日、辰五郎はひどく酔っ払って帰宅。その日の相撲の興行がはねる(終わる)のを待って力士への意趣返し決行を心に決めていた辰五郎。実は酔態は演技で、仕事も暇を取っており、家族に最後の別れを告げに来たのです。お仲はそんな事とも知らず、酔ってゴロゴロしている辰五郎にしびれを切らして離縁を切り出します。誤解したままの夫婦のやりとりにはハラハラしますが、子供の愛らしさ、心が温かくなる家族愛は必見です。
江戸の火消し衆、芝神明に集結2つ目のみどころは水盃(みずさかずき)の儀から出陣、そして大乱闘の場面。
