鈴木哲夫の政界インサイド「安倍“目玉政策”に『人間主義的ではない』の声」 (2/2ページ)
これも生産性向上のためです」(経産省OB)
老いも若きも日本経済のためにひたすら働けということになる。野党幹部はこう話す。
「安倍政権は『女性活躍』、『1億総活躍』など、たびたび看板を掛け替えてきましたが、どれも中身は一緒です。とにかく国のために生産性を上げるということ。国民ひとりひとりが、自分の人生を豊かに歩めるようにという人間主義的な政策ではないのです。聞こえのいいキャッチフレーズでごまかしているが、本質が透けて見えるから、有権者が評価できないとしているのでしょう」
少子高齢化にストップがかからない中で生産性向上という、かつての高度成長期を夢みるような方向が正しいのか。次代の当事者である自民党2回生など若手議員からも批判が上がる。
「夢のような経済成長はもうない。現実を厳しく見据えて、ダウンサイズの経済政策や社会保障などを考えるべきだ」
この人づくり革命で消費増税分を無償化の財源に回すというプランも、解散前に突然、安倍首相が言いだしたもの。選挙対策のバラマキ感は否めない。人づくり革命の本質を、今月末から始まる通常国会で徹底的に再議論すべきだろう。
ジャーナリスト・鈴木哲夫(すずき・てつお):58年、福岡県生まれ。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリーに。新著「戦争を知っている最後の政治家中曽根康弘の言葉」(ブックマン社)が絶賛発売中。