西郷どんと維新の策士たちの「オモテ」「ウラ」(1)「龍馬が教科書から消える」は本当か (2/4ページ)
ただし僕も約30年、高校の教師をやっていましたから、どんどん歴史用語が増えて人物や事件などの数が膨大になって生徒の負担が大きくなってきているので、同じ歴史教師としては用語を削って生徒たちの負担を少なくしてあげることには大賛成です。暗記中心の歴史学習から思考力を養う歴史学習にしていくための提言だと思っています。ただ個人的には、龍馬を削ることには大反対です(笑)。
美甘子 龍馬さんは手紙をたくさん残していて、お姉さんに宛てた手紙では本当に親しみの込もった方言やギャグを入れたひらがないっぱいの手紙を書いているし、目上の人に対してはちゃんと候文で真面目に丁寧に書いていて、ちょっとがさつで大ざっぱなイメージもありますけど、実は繊細でやるべきところではきちんと真面目にやっていたんだなあと思いますね。
河合 宛てた人によって字や言葉遣いが全然違いますもんね。ここ2年ぐらいの間に3回くらい、没後150年も経て新たに龍馬の手紙が発見されていて、昨年発見されたものは、140余りある龍馬の手紙の中で初めて「新国家」という言葉が使われていたということで、たいへん貴重な発見です。越前藩の重臣だった中根雪江(なかねゆきえ)という人に宛てた手紙で、当時謹慎中だった三岡八郎(みつおかはちろう・のちの由利公正(ゆりきみまさ))を新政府の財政担当に推挙する内容でした。
美甘子 新政府に龍馬さんは入っていないのに、その財政のことを心配しているのがスゴイなあと思うのと、当人はこの手紙を書いた5日後に殺されるとは知る由もなかったけど、命が狙われるギリギリまでいろいろと走り回っていたんだなあ、熱いなあと思いますね。
河合 龍馬はあの時点で、大政奉還を終えて倒幕派に転向しているんですね。5日後に龍馬を殺したのが誰かは、いまだに謎ですけどね。