秋津壽男“どっち?”の健康学「女性より男性が短命なのはどうして?ホルモンの補充で病気や症状を防ぐ」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 近年、中高年男性に起きているうつ症状、睡眠障害、メタボリック症候群、認知症などと男性ホルモンの関係が盛んに研究されています。その中でも、男性ホルモンの代表である「テストステロン」の低下で、全身にさまざまな症状が起こると言われています。男性ホルモンを補充することで、こうした症状が改善するとも言われています。

 現在では、そのテストステロンを体内に直接注入する治療が、男性更年期の治療法としても認められるようになっています。

 また、男性に比べて女性は体が小さいため、エネルギー消費が少なくて済みます。体に脂肪をためることができるので飢餓状態になりにくいのも理由の一つであり、「体形の違い」こそ最大の理由と言えます。

 加えて、男性は飲酒喫煙が多いことや、「3K」と言われる危険な仕事に従事する可能性が高いことなどもあげられます。

 日本における過去100年の男女別出生率を見ると、女性100に対して男性は105前後で推移しており、やや高めです。また、戦死により男性が少なくなった太平洋戦争後の10年を見ると、出生率は女性100に対して男性106と伸びました。不思議なもので、戦争や飢餓などがあると妊娠率が高まり、男性の出生率が増える傾向にあります。このあたりは「神秘的な天の差配」かもしれません。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「女性より男性が短命なのはどうして?ホルモンの補充で病気や症状を防ぐ」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 3/15号“どっち?”の健康学秋津壽男男性ホルモン女性ホルモンカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る