腸の声を聞け。感情や気分、対人コミュニケーションまで腸が関与している可能性(米研究) (2/3ページ)
迷走神経という神経シグナルの高速道路は、消化や心拍数、ホルモン反応や免疫機能までの一切を監視している。
この内部の連絡網で数多くの会話が交わされていることが明白である一方、腸が与える人の意思決定への影響の程度についてはまだ議論の途中だ。
・腸の迷走神経が脳にシグナルを出し行動を制御
リナマン博士らはこれまでの研究を渉猟し、迷走神経が行動に与える役割について現在までに判明したことをまとめた。
それによれば、消化管からのシグナルは報酬行動にブレーキをかけて、特定の状況を避けるような行動を強化することができるらしい。
これはほとんどの動物モデルに合致する。胃腸に入れた物からのフィードバックは確かに命を救う停止信号を構成しうるだろう。
「腸・脳経路は、ヒトからネズミまで、どの哺乳類でも非常に似通っています」と、リナマン博士は似たような腸の反応が私たちの行動を穏やかに導いていることを否定する理由はほとんどないことを示唆している。

・思考や対人コミュニケーションにも腸が関与している可能性
しかしネズミと違い、人間はもう少々脳が複雑で、脅威を評価する際の「推論」や「対人コミュニケーション」を行う能力があると考えられている。
もし腸が私たちの意思決定を左右するのなら、具体的にどこまでが腸の影響でどこからが認知の影響なのか突き止めることは重要だ。
最近では、腸内細菌叢が健康や精神衛生に直接影響することが明らかになっている。それらはパーキンソン病や自閉症といった神経症状の引き金となる可能性がありそうなばかりか、その構成が感情状態や認知状態までをも弄ぶ可能性すらある。