ビートたけし騒動について考えてみた:ロマン優光連載106 (1/4ページ)
ロマン優光のさよなら、くまさん
連載第106回 ビートたけし騒動について考えてみた ビートたけし独立に絡む一連の騒動。日々情報が錯綜している状態であり、現時点では、たけし軍団の声明文にしろ、オフィス北野・森社長の反論にしろ、わかったようなわからないような、すっきりしないものでしかない。軍団側からの再反論が出るのか、森社長の反論がさらに続くのか、北野家側からの主張が出てくるのか、このまま事実関係があやふやなままに手打ちになるのかはわからないが、この情報戦で得をした人間は誰もいないように見える。
たとえ軍団側の主張が正しく森社長に重大な非があったとしても、それは「ビートたけしが愛人に洗脳されている」という一部報道の否定にはなるわけではない。「森社長は背任行為を働いていたし、愛人が裏で糸を引いているのも事実」という想定は十分成り立つのだ。
ここで私がしているのは真実がどうであるかという話ではない。世間にどういう印象を与えてしまったかという話だ。個人的な考えとしては、真実を100%公開するには、双方が表に出すことができない話を抱えすぎているため、「これが真実です」というものが出てきて収束するという流れはないような気がしている。
端から見れば、たけし軍団というのは、この件において最も信頼できない語り手である。なぜなら、彼らのたけしに対する忠誠は絶対のものだからだ。それは美徳であるのだけど、師匠のためならどんな泥でもすする、師匠の言葉は絶対であるような人たちが、師匠を守るためにする発言が100%の真実であるかどうかは疑念を持って見られるのは仕方がないことだ。
森社長についてもそうだ。彼が本当にそのような背任行為を働くような人物だとしたら、自分を守るために嘘をつくことだろう。しかし、彼が実はそういう人物ではなく、かつてのイメージ通りにビートたけしに尽くしてきた人間だとするならば、たけしに不利になるような大きな事実があった場合に、たとえそれが自分に有利になるような事実であったとしても、たけしのためにそれを表に出すことはないだろう。どっちにしても、100%の真実を出してくることはないように感じられる。