ビートたけし騒動について考えてみた:ロマン優光連載106 (2/4ページ)
たけしサイドの口からも、森社長サイドの口からも語られることがないだろう部分については、リテラの記事が触れていたわけだが、リテラというのは『噂の真相』の残党によって運営されているという噂がある。そのリテラの記事も、かっての『噂の真相』の記事を踏まえた上で書かれたもので、普段のネット情報の二次使用みたいなまとめ記事に比べれば信憑性が高そうに見える。しかし、『噂の真相』という雑誌は「これは噂ですよ!」というていで、メジャーなメディアがしがらみから報道できないような真実を暴露していくようなゲリラ的な手法を使った雑誌だったのだが、本当に噂レベルの悪質な与太話を載せている雑誌でもあったわけで、当然それが真実とは言い切れない。他のメディアによる報道にしても、現状で何が出てきたとしても、それぞれが登場人物の誰かに忖度している疑いが拭えない状況だ。藪の中である。
何が真実であるかはっきりとしない状態の中で残るのは印象でしかない。しかも人間がよく覚えているのは悪い印象の方である。「森社長は銭ゲバの背徳漢」「軍団は自分たちの無能を棚にあげ背広組に金銭的に嫉妬しただけの与太者集団」「愛人とされている女性は金銭目的でたけしに近づいて操っている」「たけしは愛人に骨抜きにされ、自分は矢面にたたずに軍団を使って情報操作をしようとしている卑怯者」等々。厳密に考えれば相互に矛盾しているようなそれぞれの印象が深く考察されないまま残っていき、このままでは悪評だけが世の中に印象づけられる結果にしかならないおそれがある。軍団の声明文が「たけしは愛人に洗脳されている」という報道に対しての反論であり火消しだったとしたなら、失敗したと言えるだろう。あのような形で事態を大きくしてしまうことで、逆に印象づけてしまったのだから。
今回のことで一番印象的に損をしてしまったのは水道橋博士ではないだろうか。フライデー事件に参加できなかったことが、彼にとって大きな悔いになっていたのは間違いのないことだろう。今回はそれを取り返しにいくかのごとく、たけしを守るために果敢に動いているのは窺える。しかし、それがあまりにも過剰なので、ヒロイズムにも酔っているようにも見えなくはないし、師匠を利用して金を稼ごうとしているように勘繰る向きも出てくる。