秋津壽男“どっち?”の健康学「寝る前に飲む“寝酒”は体に悪影響はある?アルコールの覚醒作用による睡眠の質低下」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

もちろん、飲みすぎると肝臓に負担をかける弊害はあります。お酒をおいしく健康的に飲むなら食中酒、つまり晩酌が最も効果的です。

 こう考えると、寝酒は決して体にいい行為とは言えません。酒を楽しむわけでもなく、寝るために飲むのは体に大きな負担をかけるだけです。何も食べず、人としゃべることもない酒は「アルコールの効用ゼロ」なのです。

 日本人の多くは睡眠薬に頼るのが怖いため寝酒をするわけですが、医師の立場から言えば、不眠で寝酒に頼るよりも、適量の睡眠薬を飲んだほうが体への害は少ないと言えます。また、寝酒は飲めば飲むほど耐性がつくためアルコールの量が増え、結果としてアルコール依存症にもなりかねません。言うまでもありませんが、睡眠薬とアルコールの併用は自殺行為なので絶対にやめてください。

 さて、寝酒を飲んで3~4時間後に起きたい、という人に、上手な寝酒の飲み方をお教えしましょう。それは養命酒や梅酒を少量飲むことです。少量のアルコールにより体が軽くほてり、血流と寝つきをよくしてくれるので「酔って寝る」ことにはなりません。

 寝酒はお酒が好きだけど弱い人に向いています。逆に酒が強い人の寝酒は「酔って寝る」こととなります。前述のとおり体への悪影響のほうが強くなるため、量が飲める人ほど寝酒は我慢してください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「寝る前に飲む“寝酒”は体に悪影響はある?アルコールの覚醒作用による睡眠の質低下」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 4/12号“どっち?”の健康学秋津壽男アルコール睡眠社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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