繰り返される“隠蔽問題” 「自衛隊海外派遣の25年を検証すべき」 (3/5ページ)

新刊JP


政府も議論をすり替えるところがあって、都合の良し悪しに関わらず事実を国会の場に出して議論すべきなのに、日報が見つかったときに政府は法律論でかわそうとしました。南スーダンの実態がどうか、ではなく法律の解釈の問題である、と。こうなるとロジックも何もなくなって、単純に言葉の解釈の問題になりますからね。 ――こうした隠蔽体質は今後改善していくのでしょうか?

布施:簡単ではないと思います。防衛省・自衛隊では、これまでも様々な隠蔽事件が繰り返されてきました。そのたびに「再発防止策」がとられましたが、また今回のようなことが起こってしまうのです。ただ、今回の日報隠蔽は、防衛省・自衛隊の「隠蔽体質」で片づけてはならないと思っています。
元々の隠蔽体質に加えて、自衛隊海外派遣と憲法9条の構造的な矛盾や、先ほど述べたような安倍政権の強権的な性格も重なり、「日報隠蔽」という大きな問題に発展したのではないかと思います。

自衛隊の任務である国防もそうですし、政府の政策は国民の理解や支持を得てこそです。そのためには事実をまず提示して、国民の理解を得るというプロセスを経ないと強いものにはならないんじゃないでしょうか。

――国民全体が納得できてないままになっていますからね。

布施:自衛隊の活動に関する政策決定は人命が関わるものです。本来、国民に公表されるべき情報が違法に隠蔽されたり改ざんされたりして、後から「実はこうでした」というのは通用しません。

だからこそ変えていかないといけないけれど、稲田さんの大臣辞任に至る経緯の終盤には「そもそも日報は公開すべきではない」「自衛隊は普通の役所じゃない。情報公開法の対象から外すべきじゃないか」といった乱暴な議論も出ていました。また、2014年には特定秘密保護法ができるなど、「情報を出さない」という傾向が強まっているように思います。その部分は懸念していますね。

■カンボジア派遣から25年。今こそ検証すべき ――この本を読むと、カンの良い方は1992年の自衛隊・文民警察のPKOカンボジア派遣を思い出すのではないかと思います。
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