繰り返される“隠蔽問題” 「自衛隊海外派遣の25年を検証すべき」 (4/5ページ)
あのときもカンボジアは内戦状態であったにも関わらず、政府は「停戦合意は崩れていない」という見方をしていました。
布施:本当にその通りで、この本を三浦さんと一緒に書いた大きな理由の一つは、日本の国際貢献の暗部にフォーカスしたかったからなんです。
自衛隊が1954年に発足して、初めて海外に派遣されたのは1991年のことです。ペルシャ湾派遣ですね。そして、湾岸戦争後に諸外国から「小切手外交」と批判された日本はPKO法を成立させて、カンボジアに派遣します。
その時は、停戦合意が結ばれた平和な地域を支援するために行くという理屈が一つ、そして戦闘には巻き込まれない(軍事活動には参加しない)という理屈が一つあるから、憲法9条違反ではないというロジックでした。
しかし、現地は事実上内戦状態でした。つまり、言葉の言い換えで憲法9条との整合性を合わせて、現地に送っていたわけです。しかもそのカンボジア派遣から2017年5月に南スーダンから撤収するまでずっと世界のどこかに自衛隊は派遣されています。
派遣している限りは、自衛隊派遣は合法であると主張し続けなければいけない。これは民主党政権下でもそうでした。その25年の自衛隊海外派遣を、この機会にしっかり検証すべきではないかというところで、この本の執筆を進めたところがあります。
――本書をどのような人に読んでほしいとお考えですか?布施:自衛隊の派遣は、カンボジアから始まり25年続いてきましたが、表に出ていない事実がたくさんあります。イラク派遣の際にも、開示請求した情報が、当初「廃棄済みでありません」と言われたのに、後から出てくることがありました。
こうした不健全な行政を止めるにはどうすればいいか。この日報問題を大きな材料にしてほしいし、今起きている森友問題の公文書改ざんとの共通点を見出してもらって、日本の政府と国民が対峙している本質的な問題について見直してほしいです。
去年から公文書の隠蔽・改ざんが省庁をまたいで多発しているのは、現政権の抱える共通した根っこがあると思います。