トランプきつねvs金正恩たぬき「非核」化かし合い最後の一手 (2/3ページ)

週刊実話

トランプ大統領は、北が勝手に自壊することを期待しているのではないか」(北朝鮮ウオッチャー)

 韓国紙朝鮮日報は5月30日の記事で《会談がシンガポールで行われるため、正恩体制に不満を持つ勢力が何らかの行動を起こす時間を確保できる》との消息筋の話を紹介しているし、同月22日の米紙ワシントン・ポストの記事は《北朝鮮側が米国当局に対し、シンガポール滞在中の正恩委員長の身の安全を保障するよう求めている》と、さらに踏み込んだ見方を示しているほどだ。
 「正恩委員長がクーデター勃発を恐れるのは当然でしょう。複数回も会談を行えば、それだけ国内蜂起のチャンスも増えますからね」(国際ジャーナリスト)

 北朝鮮が核実験場の廃棄時に肝心要の国際監視団の立ち会いを認めなかったことや、軍の複数のトップを対米強硬派から穏健派に人事移行していることについて、トランプ政権は非核化への意欲を「カムフラージュしているのではないか」との警戒心を隠していない。
 ところが、そのトランプ大統領の方も似たり寄ったりで、本音がどこにあるのか測りかねる発言が相次いでいる。
 「昨年9月の国連演説では、北の非人道的行為を列挙し『日本人の13歳の少女(横田めぐみさん)を拉致した』ことや正恩委員長の異母兄・金正男氏の暗殺にも触れ、北朝鮮を『ならず者政権』と批判しただけでなく、同年11月の韓国国会演説では、『北は個人崇拝の徹底したカルト国家だ』と非難し、独裁体制下で進む人権侵害の実態を訴えるのに、約35分間の演説のうち10分近くを割くなど、北の人権問題を徹底的に非難しています。米国は歴史上、かつての日本帝国主義や独裁国家の体制保障を一度たりとも約束したことはありません。このような猛烈な北朝鮮の体制批判を繰り広げた張本人が、前言を覆し、北の体制を保障するとは一体どういうことなのでしょう」(同)

 北朝鮮側が求める具体的な体制保障は、虫のよすぎるものばかりだ。
 「北朝鮮の金桂寛第1外務次官は5月16日、自国の非核化の先決条件として(1)米国の核戦略兵器の韓国からの撤退、(2)米韓合同軍事演習における核戦略兵器展開の中止、(3)通常兵器および核兵器で攻撃しないという保障、(4)停戦協定の平和協定への転換、(5)米朝の国交正常化の5つを挙げています。

「トランプきつねvs金正恩たぬき「非核」化かし合い最後の一手」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る