男女入れ替え物語の原点・とりかへばや物語に似た「在明の別」後編:偽死と入内 (1/2ページ)

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男女入れ替え物語の原点・とりかへばや物語に似た「在明の別」後編:偽死と入内

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男女入れ替え物語の原点・とりかへばや物語に似た「在明の別」前編:誕生から男装まで

男としての役割を終えた女君は死を装う

さて、左大臣家の嫡男となる子を用意した女君は、男としての役割を終えたことになります。たんたんと紹介していますが、女君自身男の自分に未練がないといったら嘘になります。大将にまで出世した女君は帝のおぼえもめでたく、宮中の宴では横笛を披露するなど、政治以外の文化面でも活躍。

『とりかへばや物語』の女君と違い、もともと男装しなければならない理由があった分、いろんな葛藤があったことでしょう。

女君自身は男姿に未練を残し、そのまま出家を望みますが叶いません。左大臣家の大将(女君)は死んだことになり、女君は女の姿に戻るのです。

女君の入内、そして栄華

女君の次なる役割、それは入内し、次の帝の母となり左大臣家に繁栄をもたらすこと。女君はそもそも「天女」である、という側面もあり、類まれな美貌の持ち主。音楽、和歌などどれをとっても他の追随を許さない優れた才能の持ち主です。帝がそんな女君を放っておくはずもなく、めでたく皇子に恵まれ、国母として栄華を極めることになるのです。

そんな女君が、果たして幸せであったかどうか。

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